この可愛い子は誰でしょう?
実はこれ、アメリカシロヒトリの成虫です。
アメリカシロヒトリといえば、1970~1980年代には、
街路樹の大害虫として有名になり、一時は、
日本中の緑を食いつくすかのような勢いで猛威を振るった。
最近はだいぶ個体数が減り、日本で「普通種」としての
安定したポジションを得ることに成功したようである。
原因としてシジュウカラなどの小鳥が
アメリカシロヒトリの幼虫を捕食するようになったことが挙げられよう。
外来種として入ってきたばかりの頃は、
小鳥も警戒して幼虫を食べず、天敵がいない状態になってしまったことで、
個体数が異常に増えてしまったと考えられる。
2017年9月、前記事のオオミズアオと同じ木で
アメリカシロヒトリの幼虫を発見。
とりあえず、巣ごと切り取って連れて帰った。
えっ? きみたち、こんなにいたの?
思った以上の個体数にビビるが、
連れてきた以上は、腹をくくって育てることにする!
終齢幼虫になると、もはや絨毯……。
葉っぱを入れると、ムシャムシャ食べる音が部屋に響き、
なくなると脱走を試みるというとんでもないヤツ。
体が細いので、一般的な飼育器だと簡単に脱走される。
アメリカシロヒトリ幼虫は、
他の毛虫に比べて知能が高いのではないかと私は感じている。
しだいに幼虫たちの個体数が減少。地中で蛹になったようだ。
うち数頭は、晩秋にフライング羽化。
外が寒く、リリースできなかったのでフルーツで飼育した。
冒頭の動画は、そのワンシーンである。
翌年の4月、相次いで羽化。
もふもふです♪
近くの河川敷にリリースしたのだが、
なぜか、飛んでいく前に、私の体にとまっていって、
ちょっとうるっとした……。
早くも交尾する個体も。
兄弟姉妹で交尾する(近親婚)自体、よいことではないが、
少しでも模様が異なるもの(遺伝子が違った個体)を選んで、
交尾をしているように感じられた。
そして、飼育器の蓋にはお土産が(笑)(*^▽^*)。