気象予報士2670号(金子大輔)の虫虫博物館♪

昆虫、虫、生き物ネタを集めるブログです(*^▽^*)

あのすばらしい日をもう一度(オオミズアオ成長記)

「蛾は苦手だけれど、こいつだけは好き(はーと)」✨

そんな声をしばしば耳にするのがオオミズアオ

学名ではかつてActias artemisといい、月の女神アルテミスを意味した。

(現学名はActias aliena

 

忘れもしない2007年10月、近所のウメの木の下に、

見たことがないほど巨大なフンが散乱していた。

イモムシファンは皆そうだと思うが、これはこのうえなく心躍る瞬間なのだ。

このサイズのフンをするのはタダモノではあるまい。

 

ウメの木を探すと……

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いた~!!オオミズアオの幼虫!

でも、あの常識外れのサイズのフンは、この子のものではあるまい。

 

翌日、改めてウメの梢の方を見たときの衝撃。生涯忘れることができまい。

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梢の方で、サボテンみたいな物体がノソノソ動いている。

地球上に、こんな生物がいたことがにわかには信じがたかった。

 

脚立を持ってきて、その子を確保。

見かけ倒しではなかった。手に載せた感触も、一生忘れられまい。

ずっしりとした重さは、イモムシの常識をいとも簡単に覆した。

 

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大きさは90ミリ弱だったが、太く重いのでボリューム感は半端ではない。

 

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やがて、その子は蛹になり、越冬することになる。

 

越冬中にも、人の気配を感じると、ガサガサガサッと動いた。

本棚から本が落ちてきたような音なので、普通に驚かされる。

 

4月になったある日。

こともあろうか、その子は私の目の前で羽化してくれた!👏

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けだるそうに繭から這い出てきた、白く太い物体。

存在感は、幼虫の頃に負けていない、というか、さらにアップしている。 

 

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羽根がだんだん広がり…… 

 

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マジェンタの細いあしで、必死にからだを支えている。 

 

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 噂どおり、かなりの美人(美虫?)だ。

 

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太ってるのに、優雅で美しいのって反則はないだろうか。 

 

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まるでキャベツのよう。 

 

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これ以降、私は、オオミズアオを育てる機会には1回しか恵まれていないが、

虫好きの方は、絶対一回は育ててほしい蛾です。

 

それどころか、小学校の教室でも飼育して欲しい。

蛾へのイメージが大きく変わるはずだ。